7月27日
    2024年8月10日

    男子日本代表:1年前から新しくなった4つのこと

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    日本代表の2023年のワールドカップでの感動的なパフォーマンスから10か月。パリに向けて、彼らのキーとなる変化はどこにあるのだろうか?

    6月26日に日本バスケットボール協会が、男子日本代表のパリオリンピック代表最終候補16人を発表した。

    パリオリンピック出場権を獲得したFIBAワールドカップから10ヵ月がたち、今回の日本代表も1年前と同じトム・ホーバスヘッドコーチのもとで戦いに挑む。中心選手の多くも引き続きロスターに残っている。一方で、新しくなったこともある。パリに準備を進める今回の日本代表は、どんな面で1年前変化し、新しくなったのだろうか。  

    ① 目標 

    トム・ホーバスヘッドコーチは、今回のパリ五輪の目標を「ベスト8に入って、パリでの決勝ラウンドに進むこと」と掲げている。去年のFIBAワールドカップでの目標は、大会参加のアジアの国の中で1位になってパリ五輪に出場することだった。結果、見事に目標を達成して、アジアの国の中で最高成績を取り、パリ五輪出場権を獲得している。  

    今回の目標は1年前よりさらに難易度が高い。去年のワールドカップで目標を達成するためのライバルは、レバノンやフィリピン、中国など、順位争いをするアジアの他国だった。直接対戦はなかったが、勝敗と得失点差で、それらの国を上回ることが最大の目的だった。結果、最終成績は32チーム中19位だったが、レバノン(23位)、フィリピン(24位)、中国(29位)を上回ったことで、目標を達成することができた。

    今回は、世界から選りすぐられた12チームが出場するなかで8位までに入ることが目標となる。目標達成のためのライバルは、アジアの国々ではなく、世界の強豪国となる。そこで8位以内に入るには、大きくステップアップする必要がある。  

    ② 八村塁の加入 

    目標が高くなった一方で、日本代表も戦力アップしている。何よりも、去年のワールドカップでは代表活動に参加しなかった八村塁が、今回は代表に復帰している。ロサンゼルス・レイカーズでスターターとして活躍する八村は、間違いなく現在の日本ではトッププレイヤーだ。 

    八村の加入はチームにとって大きな戦力アップだ。中国でのワールドカップや東京五輪で日本代表のエースだった八村は、当時より3ポイントシュート力を向上させ、ホーバスHCのバスケットボールにより合うプレースタイルになってきている。  

    6月29日の男子日本代表メディアデーで、3年ぶりに日本代表としてメディアの前に登場した八村は、「こうやってまた(日本代表に)帰ってこれて、僕としてもすごい嬉しいですし、すごい楽しみです」とコメント。 

    さらに、ホーバスHCのバスケットボールについては「ワールドカップの試合も(インターネットで)見ていました。速攻や、オフェンスでは、僕のオールラウンドな(能力)が発揮しやすいようなスタイルなので、僕としても楽しみです」と語った。 

    八村が加わることでワールドカップでは負担が大きかった渡邊とホーキンソンの負担を減らすこともできるだろうし、河村、富樫といったポイントガードのプレーの幅も広がり、富永、比江島といったシューターにとってもシュートチャンスが増えるはずだ。河村や富永、ホーキンソンにとっては初めて八村とチームメイトとして戦うことになるわけだが、それによって生まれる新たなケミストリーにも注目だ。  

    ③ 自信 

    ホーバスHCは、ワールドカップ前、選手たち、ひとりひとりに、「アジア1位になるという目標ができると思っていますか?」と問いかけた。そして選手たち全員の「できます」という返事を確認して、大会に臨んだ。このときは、チームとしての自信というよりは、ホーバスHCがチームを信じていることに対する信頼の意味合いが大きかった。そして、個々の選手の思いがチームの強さとなり、目標を達成したことで、チームとしての自信はさらに強くなった。 

    今回も、ホーバスHCは「ベスト8に入れると信じていますか?」と、選手たちの意思を確認している。たとえば、2月にホーバスHCからオリンピックでの目標を聞いた後、河村勇輝は言っている。 

    「もちろん自信はあります。ベスト8は簡単な目標ではない。強い自信を持ちながらも、チームとしても個人としても、一日一日を無駄にせず、120%以上の力が出せるような準備をしていきたい」 

    前回はホーバスHCから与えられた自信だったが、今回は、それに、自分たちの去年の経験に基づく自信が上積みされている。  

    ④ 次世代の若手選手たち 

    最終ロスター確定までにはあと4選手がカットされるが、16人の中に20歳のジェイコブス晶、21歳の金近廉が入ったことにも注目したい。去年のワールドカップのときは直前に落選した2人は、悔しい思いを胸に、ジェイコブスがハワイ大で、金近がBリーグの千葉ジェッツで成長してきた。彼らが最終ロスターに残るかどうかは現時点では未定だが、もし入ることができたら、それは彼らにとっての貴重な経験であるだけでなく、日本バスケットボールの将来への希望の光にもなることだろう。 

     6月29日の男子日本代表のメディアデーで、ジェイコブスは、憧れとして見てきたる八村や渡邊と共に練習し、オリンピックを戦うことについて、「彼らと話せるだけじゃなくて、同じコートで練習できるっていうのもすごく嬉しいし、一緒に世界大会を戦えるって思うと自分もワクワクする」と喜びを表現した。 

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