ベイルート(レバノン) - バスケットボールは「何が起こるかわからない」とよく言われるが、それがまさにFIBAアジアカップ2025予選のWindow2で証明された。世界ランキングで格下とされるチームが、格上のチームを打ち破る瞬間が何度も見られたからだ。
非常に盛り上がったWindowで、合計24試合中6試合が波乱の展開となった。ファンにとっては歓喜の瞬間だっただろう。敗れたチームのファンにとってはそうではなかったかもしれないが。
ここでは、FIBA世界ランキングPresented by Nikeに基づいた順位をもとに、アジアカップ予選のWindow2で起きた番狂わせをランキング形式で振り返る。 *FIBA世界ランキングは2024年8月10日時点のもの
6. インド (#76) vs カザフスタン (#69)
FIBA世界ランキングでの差: 7
リスト上では「最小」の番狂わせかもしれないが、インドバスケットボール界にとっては大きな勝利だった。
インドにとって、FIBAの公式戦で約3年ぶりとなる勝利を手にしたこの試合は、16連敗を断ち切り、約30年間勝利していなかった相手を破った歴史的な一戦となった。さらに、ホームであるチェンナイのファンの前での快挙だ。リストの順位はどうであれ、インドにとってこの勝利は特別であり、大きな価値のあるものとなった
5. タイ (#88) vs インドネシア (#77)
FIBA世界ランキングでの差: 11
一方で、タイの勝利は番狂わせとは言いにくいかもしれない。というのも、タイは2月のWindowで既にインドネシアを破っているからだ。とはいえ、タイはオーストラリアに大差で敗れた直後、インドネシアは韓国相手に「善戦」してこの東南アジアのライバル対決を迎えているという状況があった。
結果的に、タイはアジアカップ2025予選で最高得点となる112点を叩き出し、試合の最初から最後まで圧倒的な試合展開を見せ、危なげなく勝利を収めた。
4. フィリピン (#34) vs ニュージーランド (#22)
FIBA世界ランキングでの差: 12
この試合がリストの中で最も注目度の高い対戦となった。両チームともにワールドカップ2023とオリンピック最終予選に出場した実力派同士の激突であるだけでなく、フィリピンはこれまで一度もトールブラックスを破ったことがないことからも、期待が高まる一戦となった。
結果は、フィリピンが見事なチームプレーを発揮し、勝利を収めた。ギラス・フィリピナスはWindow2を全勝で終え、無敗で来年のアジアカップ出場権を獲得した。
ニュージーランドも、アジアカップ出場を決めている。2月のWindowではニュージーランドでの再戦となり、このリベンジマッチにも注目が集まる。
3. カタール (#101) vs インド (#76)
FIBA世界ランキングでの差: 25
インドがこのリストに2度も登場しているのは驚きだろう(今回は逆の立場でだが)。
今回取り上げるのは、Window初戦でインドがカタールに敗れた試合だ。この試合では、カタールがその速さ、クイックネス、強さを見せつけ、インドを圧倒した。特に、インドが3ポイントシュートの精度を欠いていたことが響いた。この結果は、カタールにとってさらなる飛躍の兆しを示すものになったが、その理由はこの後のランキングで明らかになる。
2. アラブ首長国連邦(#111) vs バーレーン (#67)
FIBA世界ランキングでの差: 44
アラブ首長国連邦(UAE)はアジアカップ予選出場国中で世界ランキング(とパワーランキングにおいても)下から2番目のチームだが、それをものともせず奮闘した。レバノンとの試合では善戦し、最終的にはバーレーンに勝利して予選初勝利を飾った。
この試合では、ベテランの Qais Alshabebiとデビュー戦を迎えたDemarco Dickersonが活躍。特にDickersonは、アジアカップ予選史上初のトリプルダブルを記録し、試合の流れを終始コントロールした。
1. カタール (#101) vs イラン (#28)
FIBA世界ランキングでの差: 73
そしてWindow2で「最大の」番狂わせについて言えば、これだ。この2チーム(カタールとイラン)は、ワールドカップ2019予選で対戦している。2018年の試合では、カタールが第4Qで最大10点差をつけたものの、イランがArsalan Kazemiの劇的なダンクで逆転勝利を収めた。
今回の再戦にもKazemiをはじめ、Sajjad Mashayekhiや Navid Rezaeifar(イラン)、そしてカタールのFaris Avdicなど、前回の対戦からと同じ主要な選手たちが顔を揃えた。そして第4Qはイランがクラッチシュートを決めて終わったーしかし、結果は異なるものとなった。
今回はカタールが延長戦に入る前の第4Qで追い上げを見せ、Matin Aghajanpourの3ポイントで試合を延長に持ち込み、最後はMike Lewisの決定的なシュートで勝利をつかんだ。
この試合には全てが詰まっていたといえる。FIBA世界ランキングで73位差という格差、歴史的背景(カタールは2005年以降FIBAアジアの主要大会でイランに5連敗中)、懐かしい再開(Hakan Demirは前回のWindowではイランを指揮していた)、そして40分+5分間の激しい試合展開。
もし「見逃せない番狂わせ」があるとすれば、間違いなくこの試合だっただろう。
FIBA